精霊伝説:波紋を斬る者 ヴェル、災渦の日記
(+カヤ・ボーフォートのセルフォリーフの日記、アンジェリカ・ラッセルの偽島探検記+イシュケ、翠祀)
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そういえば日記の格納忘れてました。
44回と45回の日記を格納してから効果消去をアップします。
44回は文章コミュのイベント日記でした。
バトル日記のはずなのにバトルしてない!!
44回と45回の日記を格納してから効果消去をアップします。
44回は文章コミュのイベント日記でした。
バトル日記のはずなのにバトルしてない!!
紅茶の香り
オレンジシフォンケーキとたっぷりの生クリーム
いつもの午後のひととき。
緋魅を連れて行くにはどうしたらいいんだろう?
最近そればっかり考えてる。
静かなお茶の時間。
いつも空気をやわらげるかのように話し始めるのは氷彌さん。
気を遣わせているなって思うけど・・・アンジェリカはこんなとき何を話していいかわからないもの。
氷彌「マスターは小さいのにずいぶんと魅力的になられましたね。」 |
でも氷彌さんの話って8割ぐらいはアンジェリカの話なんだよね。
緋魅「もう少し腕力を身につけられる方がいいのでは?それに体力もなさすぎですよ。」 |
アンジェリカ「これも作戦。アンジェリカは魅力だけで強くなってみせるもの。」 |
緋魅「ずいぶんと自信がおありなのですね。」 |
アンジェリカ「自信があるかって言われるとそんなにはないよ・・・でもね・・・・悔しかったから。もうあんな思いはしたくない。」 |
緋魅「??何かありましたか?」 |
アンジェリカ「緋魅は憶えていてもいいはずなんだけどな。だって、緋魅とはじめて戦った戦闘なんだもの。」 |
■第四回 文章コミュイベント■ ベストバウト ・・・アンジェリカの敗戦・・・・
あの日は緋魅の名前を呼んだ日。
あとで聞いたらアンジェリカは緋魅の真名を呼んでいたみたい。
偽妖精の中で眠っていた緋魅が覚醒して、出会って、星降る夜に夜空を一緒に飛んだ。
夢みたいなあの日、決して油断したわけじゃなかったはずなのに。
あと少しの魔法陣。
危険な床に囲まれたあの場所で休むことは出来ず、普段の半分ぐらいの体力で魔法陣まで強行。
ケサちゃんとフローラお姉ちゃんと一緒で、突破できるかもしれないと半分期待しつつ、半分は敗北を覚悟していた。
多分、少し弱気だったんだと思う。
行く手を遮るランドウォーム2体。
先手はアンジェリカが取ったはずだった。
だけど、不安が腕を鈍らせる。
満を持して投げたナイフは空を切った。
あとは乱戦
2体のランドウォームがケサちゃんを叩く隙にアンジェリカはナイフに気力を込めた。
ナイフでランドウォームの背中に切り付けつつ慣れない魔法を叩きこむ。
相手を魅了するはずのその技はほとんど通用しない。
ピリオーザさんが何かを囁いてケサちゃんの鞭がランドウォームの動きを縛る。
その隙に緋魅がその力を叩きこむ。
決して連携は悪くなかった。
交互に狙われ、一人ずつ徐々に削られていったけど、それでも誰も膝を屈さずに戦っていた。
ランドウォームが巨体を震わせて大地を揺るがす。
波打つ大地に足を取られながら必死に耐えてナイフを揮う。
渾身のハッシュは何度も回避された。
けど、回避の時にバランスを崩したランドウォームにフローラお姉ちゃんの槍が突き刺さり、ケサちゃんが魔法を叩きこむ。
乱打戦の中でフローラお姉ちゃんの槍技が確実に弱っているランドウォームを狙っていた。
苦し紛れにアースブレイクを撃つランドウォームにみんな消耗しつつも1体を屠った。
形勢は4:1
これなら行けるかと思った。
そこに油断が無かったとは言わない。
もうみんなの体力は限界に近く、残る1体のランドウォームを叩き伏せるだけの力は残っていなかった。
あの頃はまだ島に来て間も無くて、ランドウォームの体力を読み違えてた。
早いターンに大技を繰り出して・・・・残る1体に当てる大技は誰にも残っていなかった。
必死に戦いながら、相手を魅了しつつ、何度か攻撃をかわした。
それでもランドウォームが大地に身体を叩きつけ、大地を揺るがせたとき、バランスを崩したアンジェリカはそのまま立てなくなった。
苦し紛れに最後に放ったナイフ。
銀色の光で敵を魅了したことだけは憶えている・・・・・。
次に目覚めた時は・・・ティアリスおねえちゃんがいた。
材料を届けつつ、装飾を作りに来てくれたんだって。
フローラお姉ちゃんもケサちゃんも倒れてた。
全員で魔法陣を踏んで遺跡外に脱出したけど、それはひどい有様だった。
緋魅「そういえばそんなこともありましたね。あれ以来、行動が慎重になりましたよね。ですが、体力が落ちて早々に戦闘を離脱したわりに、あなたは自分の身体を鍛えようとはしていませんね。」 |
アンジェリカ「そうかな?あの頃から少しは鍛えたんだけど。」 |
緋魅「私から見たら、あなたはまだまだ小柄すぎなように思いますよ。」 |
アンジェリカ「どうせアンジェリカは小さいですよ・・・。違うの!そういうことがいいたいんじゃないの!」 |
アンジェリカ「アンジェリカはね、あの戦いのあとで思ったの。自分が一番強くなるのはどうしたらいいんだろうって。身体を鍛えても、素早く動けるようになっても、アンジェリカはシュライクお兄ちゃんやティアリスお姉ちゃんみたいに強くなれそうにない。でもケサちゃんみたいに魔法のセンスもない。だからね・・・・・」 |
アンジェリカ「より強いペットさんを味方につけるのが一番いいんだろうって。」 |
アンジェリカ「・・・・でも・・・緋魅はきづいてないかもしれないけど、敗戦したあと私のことをマスターとしてじゃなく、興味深い観察対象として見ていたでしょ?」 |
緋魅「・・・・・・・・・気づいておられたんですか。」 |
アンジェリカ「うん。哀しかったな。強いペットさんを味方につけても負けてはいけないんだって思った。それでね・・・」 |
アンジェリカ「いっぱい考えたの。より強くなるためには強いペットさんが必要だけど、強いペットさんを捕まえるのは強いペットさんに勝たないとだめでしょ?」 |
アンジェリカ「でも、勝つために体力鍛えて、魅力が足りなかったら、誰もペットになってくれないし。それで、いっぱい考えてね・・・」 |
アンジェリカ「力が無くても魅力で縛っちゃえば良いんだって思ったの。それでアンジェリカはひたすら魅力的になるように頑張ったの。」 |
アンジェリカ「アンジェリカ自身がペットさんの力の支えだから、アンジェリカが落ちないように、アンジェリカの前に立ってくれるペットを捕まえるために砂地にいるサンドゴーレムさんを捕まえにいったりね。」 |
アンジェリカ「技の命中率を意識したのもその頃かな。ただ投げるだけのナイフは命中しにくいから、魅了の力を載せたり、当てるために投げナイフの練習をいっぱいしたり。」 |
アンジェリカ「ようやく勝てるようになっていろんなペットを捕まえられるようになったけど、合成に失敗して後衛のペットさんが増えた時はどうしようかとおもっちゃった。」 |
アンジェリカ「でも、今は緋魅も氷彌さんも前衛だしね。」 |
アンジェリカ「闘技大会で短剣の強い人をロックできた時はやったー!って思ったの。この前もサザンクロスって人がアンジェリカのこと見て妹さんを思い出してぼーっとしていたし。」 |
アンジェリカ「あの敗戦がなかったら、こんなにペットに好かれる能力を鍛えようとはしてなかったと思うの。あの敗戦から本当にいろんなことを考えたよ。とにかく勝つために自分は何をすればいいのかって。あの敗戦がこの島に来てからのアンジェリカを決めたといっても過言じゃないと思うの。」 |
一気に話して喉が渇いてしまった。
紅茶を飲み干してほっと息を吐く。
今の自分。
体力はないし、リーンちゃんやケサちゃんよりも小さい自分。
だけど、ペットがいれば負けない。
魅了で相手を縛ることもできる自分。
ここまで来れたのはあの日負けたから。
それまでは一人で戦うつもりだった。
短剣と弓を極めて、一人でも戦えるようになるはずだった。
だけど、あの日悟ってしまった。
自分の能力が足りないこと。
足りないところをどうやって補うか必死で考えた。
本を調べたり、ティアリスお姉ちゃんの技を盗んだり。
そうやって考えたすべてがこの島を出る時にも持ち出すことの出来るアンジェリカの財産なんだなって思うの。
勝って得られたものもないとは言わない。
だけど、あの敗戦で得られたものはこの島で得た何にも勝る財産。
あの戦いこそがアンジェリカの成長にとってはベストバウトだったんだろうなって・・・・今でも思う。
アンジェリカ「でね。これから、自分がどれだけ成長したか試してみようと思うの!」 |
氷彌「マスター??ひょっとして敵をたくさん呼び込もうとしていませんか?」 |
アンジェリカ「えへっ!内緒だよ!でも・・・・今なら」 |
そう・・・今なら勝てると思うんだ。
多少無茶なことをしてもね。
緋魅、氷彌さん、信頼してる。
これからもよろしくね。
アンジェリカの敗戦は9日目。はじめての魅了は第二回闘技大会5回戦第24試合。サザンクロス戦は42日目です。
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