精霊伝説:波紋を斬る者 ヴェル、災渦の日記
(+カヤ・ボーフォートのセルフォリーフの日記、アンジェリカ・ラッセルの偽島探検記+イシュケ、翠祀)
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
アンジェリカ「神様、アンジェリカはうさみみさんが欲しいです。お願い。」 |
そう言って少女は袋の中に恐る恐る手を差し入れた。
目を瞑ってがさがさと袋の中に手をいれて・・・
アンジェリカ「あ・・・・・なんかふわふわしたものがあるよ!これ・・・みみじゃないかな?えい!」 |
そう言って、少女は袋から何やら取り出した。
取り出して、恐る恐る目を開いて・・・きょとんとしている。
アンジェリカ「何これ??緋魅、これって何かわかる?」 |
犬の耳か猫の耳かと思ったが、何やら黄色っぽいこの感じは・・・
緋魅「ひょっとしたら狐の耳じゃないですか?これは。」 |
アンジェリカ「え?きつねみみ??」 |
また、じっと眺めている。
少女がうさぎ好きでうさぎのぬいぐるみをこの島まで持ってきたこと。
この島にきてうさみみが手に入ると兎耳という装飾を作れると知ったときからうさみみを欲しがっていたこと。
韮袋からうさみみが出るとわかったときから、韮鍛錬キットに期待していたこと。
シュライクさんが韮から韮袋を鍛えてくれた時に大喜びしていたこと
それは私だけでなくみんなが知っていた。
しばらく眺めていたが、そのうちがっくりと肩を落としてしまった。
あまりにもがっかりしていたので、
「もう一回引いてみる?」
と言ってくれた人もいたが、少女は首を横に振った。
アンジェリカ「だって、これ他の人に渡せないんでしょ?合成しちゃうのもったいないし・・・アンジェリカが使うよ!」 |
その後、狐耳の効果が噂で流れてきて、彼女には兎耳よりも狐耳のほうがむしろ良いのではないかと言われて、少女は納得したようだ。
理性的には。
だが、ビヴァークポイントでテントに戻ってきて、私と氷彌と3人だけになると、うさぎのぬいぐるみをしっかり抱いて押し黙ってしまった。
よほど兎耳が欲しかったのだろう。
氷彌「マスター、お茶を入れました。落ち着きますから飲んでください。」 |
ふわっとした香り。
アッサムのミルクティー。
いつもより少しミルクが多めのようだ。
ぬいぐるみを手放さずに紅茶をそっと飲む。
目が潤んで、泣いてしまうかと思ったが、そのまま紅茶を飲むと
アンジェリカ「ありがとう。今日はもう寝るね。」 |
と言ってぬいぐるみを抱いたまま、眠ってしまった。
氷彌「緋魅・・・」 |
氷彌が何を言いたいのかはすぐにわかった。
私が頷くと氷彌は眠る少女の額にそっと手を置いた。
本当は少女の拾った短剣の話を聞きたかったが、今日はあまりタイミングが良くない。
また、別の機会にしよう。
大丈夫。時間はまだまだあるはずだから。
『30日目の日記
今日はいろんなことがありました。
練習試合はティアリスお姉ちゃんとフローラお姉ちゃんの二人で・・・二人ともとってもとっても強くて、頑張ったけど勝てませんでした。
次回はシュライクお兄ちゃん達で・・・こうして見るとみんなとっても強すぎと思いました。
戦闘は茨の貴公子さんは、養ってくれる人を探していると言うわりに、アンジェリカにはついてきてくれませんでした。
ついてきて欲しかったのにこれもとっても残念です。
あと、獣餌が作れるようになりました。
LV10ぐらいまであげると緋魅も氷彌さんも治癒がついて楽になれると思うんだけど、なかなか訓練できそうにないです。
それから韮袋を使わせてもらいました。
中から「きつねみみ」が出てきました。
「うさみみ」さんが欲しかったのでとっても残念です。
でも、あまりに残念だと思ってたせいか、夢にうさぎさんと狐さんがたくさん出てきました。
・・・・きつねさんってうさぎさんを食べちゃうから嫌いだったけど、ちょっぴり好きになったかも。』
PR