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精霊伝説:波紋を斬る者 ヴェル、災渦の日記 (+カヤ・ボーフォートのセルフォリーフの日記、アンジェリカ・ラッセルの偽島探検記+イシュケ、翠祀)
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ファイアオーブさんがついてくる。
コールドフレイムさんもついてくる。

コールドフレイム・・・・氷と炎を持った器。
きっと、緋魅にはぴったりのはず。

でも・・・・・



「緋魅、まだ我慢できる?」



辛そうだけど、こくりと頷いた。



「ファイアオーブさんを卵さんにあげたいの。炎の力を持ってて、炎の力で癒すファイアオーブさんを先に捕まえたいの。いい?」


「えぇ、構いません。それにあのオーブに凝縮された力は私の助けにもなるかもしれません。」


「緋魅の助けに?」


「えぇ。強い炎はいつだって私の味方ですから。」



嘘ばっかり。
バッファローウォームを抑えるのももう限界のはず。
辛いはずなのに・・・・





「バッファローウォームさんも合成して新しい器にするから、合成した獣が馴染むまではそれほど暴れないはず。
緋魅なら簡単に押さえ込めると思うの。」


「そうだといいですが・・・」


「多分このあたりにコールドフレイムとファイアオーブはうようよしているから、またコールドフレイムも捕まえられるはず。
 そしたら、必ずそれを緋魅の器にするから。
 それまで頑張って。」


緋魅はこくりと頷いて、そしてまた黙ってしまった。
もう話す余裕もないんだ。
バッファローウォームを押さえ込むのに力が必要で・・・。


「あと一日我慢してね!」



☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆



これぐらい大したことではない。
あの日の痛みに比べれば。

この島が再動して、あの男が消えた日。

あの日、何もかもを失くした。

時が動き出して、あの男はその身体を華煉に渡して散っていった。
清蘭も停止していた時が一気に動き出したときに、あの男の仮初の身体を維持していた力を一気に持っていかれて、散った。

残されたのは私と華煉だけだった。

私がいたのに。
私がここにいたのに。

華煉はあの男を追って散ってしまった。



あの男と華煉が消えて、火喰い鳥の民の呪縛も消えて、火喰い鳥の里は消滅し、この世界と精霊界をつなぐ扉が一つ消えた。

私だけがここに残された。
火喰い鳥の呪縛は消えたのに、この島に掴まった。

散ることも出来ない。
消えることも出来ない。
帰ることも出来ない。
刻一刻とマナに蝕まれていく、変わっていく自分。

あの日の痛み・・・・絶望に比べれば・・・





絶望の中で救いの光を見つけた。
この少女がこの島の呪縛を解いてくれた。
その代わりにこの少女に囚われた。
また変えられていく。
この少女の力で。
だけど、それは決して嫌なことではない。


それに希望も見つけた。
この少女が見つけてくれた。
それは、この島で散った華煉の残滓。

華煉もきっと変わる。
火喰い鳥の呪縛はもう消えている。
マナに侵された気もすでに少女の力で変わっている。
希望の卵。
新しい命。
これが孵るまで私は散れない。決して散らない。



☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆


『57日目の日記

火を使う者達にようやくであえました。

これで、緋魅も少し楽になるはず。

でも、フローラお姉ちゃんがちょっと嫌そうな顔をしています。

フローラお姉ちゃんは植物学者さんだし、炎は嫌いなのかな?

炎をちゃんと制御して、お姉ちゃんの大事な植物さんたちは燃やさないようにしてもらわなきゃ。』

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