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精霊伝説:波紋を斬る者 ヴェル、災渦の日記 (+カヤ・ボーフォートのセルフォリーフの日記、アンジェリカ・ラッセルの偽島探検記+イシュケ、翠祀)
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「はぁ・・・・・・・はぁ・・・・・」


まだだ・・・


まだ変われない。


見届けるまでは・・・



☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆



「緋魅」


「何でしょう?」


いつものお茶の時間。
最近はいつも二人。


「緋魅にあって、ちょうど一年かな。」


お茶を入れる手が止まる。


「そうでしたか?」


「そうだよ。星降る夜に緋魅にあったんだもの。」


二人で夜空を散歩して楽しかったのに忘れちゃったのかな?
緋魅、どうしちゃったんだろう。


「そういえば・・・・そうでしたね。」


いつものように香りの良い紅茶をカップに注ぎながら、緋魅は遠くを見ている。
氷彌さんを吸収しているから、すこしは安定しているはずなのに、ずっとずっと何かが違う。


「まだ調子悪いの?」


「何故そう思うのです?」


「だって、氷彌さんが居ないから。」


嘘。
氷彌さんが居ないなんてよくあることだし。
本当はそんなことじゃない。

そう、そんなことじゃない。

肌の色
髪の艶
ちょっとした仕草
ときどきつくため息
それに・・・ときどき腕を組んで自分を守るかのような姿勢。

どう見ても緋魅の調子は悪いに決まってる。


「あのね。今日グリズリーさんを捕まえるの。だから、氷彌さんにって思ったんだけど・・・・無理だよね。」


ポットを置いた緋魅がすまなそうにこちらを見る。


「申し訳ありません。マスター。」


「うん。いいよ。グリズリーさんはアンジェリカの力で惹きとめるから。」


器が要るんだ・・・

緋魅にあった器。
バッファローウォームさんとは違う器。

そう。炎と氷を兼ね備えた器が欲しい。


それと、卵さんにあった器。
純粋な炎の器が欲しい。


近くにいるのはわかってる。
絶対に捕獲してみせる。


『56日目の日記

パパ。緋魅はますます体調が悪そうで・・・

アンジェリカにできることは一つしかなくて。

どうかアンジェリカにその力がありますように。

グリズリーすら倒した力で、緋魅を助けられますように。』

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