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精霊伝説:波紋を斬る者 ヴェル、災渦の日記 (+カヤ・ボーフォートのセルフォリーフの日記、アンジェリカ・ラッセルの偽島探検記+イシュケ、翠祀)
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『45日目の日記

この日は緋魅と氷彌さんのご機嫌を損ねてしまったみたい。

二人とも戦闘の時も心ここにあらずって感じだったし、戦闘もとにかく技を撃って早く終わらせようとしていたし。

戦闘が終わると二人ともどこかに行ってしまいました。

さみし


書きかけた文字を慌てて消した。
弱音を書いてしまったら、心がくじけてしまう。
書かないこと。話さないことも時には大事。


『二人が戻ってきたら仲直りできますように。

二人のためにお茶を入れて待とうと思います。』


日記を簡潔に済ませるとお菓子の用意を始める。
いつも氷彌さんが用意してくれるとはいえ、アンジェリカも料理ができないわけではない。
てきぱきと小麦粉、バター、チョコレート、卵を混ぜてふわっとした生地を作ると鉄板に流し込んだ。
オレンジマーマレードをキルシュワッサーに解いて、焼けたスポンジの上に塗ってくるくると丸める。
外側にココア風味の生クリームを塗って、季節外れのブッシュ・ド・ノエルを作る。

アッサムのミルクティーを入れて、ケーキを切って・・・・それでも二人は帰ってこない。


アンジェリカ「ふぅ・・・」
 


なんとなく手持ち無沙汰。
そんな時にふと目に入った。
美しい赤い石のついたナイフ。


アンジェリカ「あれ?」
 


赤い石がこころなしかくすんでいるように見える。
ナイフを手に取って見ても、やはり黒っぽく濁っているように見える。


アンジェリカ「やだなぁ・・・手入れしてなかったから、埃がついちゃったのかな?」」
 


やることもないし・・・・なんとなくアンジェリカは火喰い鳥のナイフを磨き始めた。





☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆



「待ちなさい!華煉!!」


眠る少女に覆いかぶさるかのようにしていたどす黒い気配。
氷彌が少女を起こそうとするその一瞬前に黒い気配が薄れた。

闇の中にかすかに見えた緋色の長い髪。
この私が見間違えるはずはない。

バッファローウォームとダークホースには最低限の力だけを残し、氷彌を一時的に吸収して黒い気配を追った。
普段押さえつけられているバッファローウォームとダークホースはおそらく全開で破壊を楽しむだろう。
それは結果的に少女の戦闘を助けるはず。

黒い気配を追う。
どす黒い炎。
闇に浮かぶ灯火をひたすら追った。

自分の中から少しだけ氷彌の力を呼び出し、髪を数本抜き取り投げつける。
髪は炎の前へと回り込み、その場で氷の投網となって広がる。
黒い炎は氷を溶かしてさらに逃げるが、少しずつ距離は縮まってきた。


「華煉!!」


「・・・・・・ギィィィィ」


その異形は振り返り様にきしむような声を挙げると炎弾を3発放った。
回避したはずだった。
だが、炎弾は軌道を変えると確実に3発とも私の身体に食い込んだ。
食い込んだ位置で炎が炎上する。
信じられないことに焔霊である私の身体を炎上させたのだ。

続いて放たれた炎をかろうじて1発食らっただけで回避する。
だが、たった1発当たっただけなのに、一瞬体の力が抜ける。
あの闇に惹き付けられそうになる。

これは・・・・


「グワァアアアアア」


闇がさらに6発の炎弾を生む。
そこで気づいた。
慌てて自分の体の炎上している部分を消し、炎弾をできるだけ避ける。

これは・・・・インファーナルブレイズでは?

追尾し確実に命中し炎上させた3つの炎弾・・・あれはレーヴァテインだ。
続く技は・・・あれは深紅ではないか?
間違いない。


「華煉!目覚めなさい!!」


あることに気づいて焦る。
あの男は流星光底という奥義を持っていなかったか?


異形が炎弾を生む・・そのスピードが徐々に上がる。
防戦一方になる。
不意に命をごっそり持っていかれる。

小まめに炎上を消していかなければ・・・
だが、どんどん速度は上がる。
かわしきれない。


「ゲギャハァァアアアアアア」


異形がまた炎を生み出す。
このままではやられる。
一瞬だけ華煉の姿が見えたのに、追いついてからはまったくその気配が感じられない。

一瞬だけ

そう・・・
あの少女に覆いかぶさっていた時に・・・・


「!」

慌てて氷彌の記憶を辿る。
あの少女が見ていた夢。
あの少女は何をした??


アンジェリカ「ひょっとして・・・華煉さんですか?」
 


あの少女は・・・・華煉の真名を正しい韻を踏んで呼んだのだ。


「ギャアアアアアアアア。グ・・グ・・グゴバッ」


必死に炎弾を避ける。だが体の炎上を消すのが間に合わない。
だが、異形はゴバッという音と共に巨大な力を練り上げた。


「華煉!」


黒い黒い熱をも飲み込む闇。
あれに触れてはいけない。


「華煉!」


だが、避けきるほどの力はない。


「華煉!!」


呼ぶ。
だが、あの少女のようには呼べない。

黒い巨大な力の塊がこちらに放たれる。
避けきれない。




「・・・・・・・・マスター」


華煉は私に応えない。
闇に呑まれてしまう。
脳裏をよぎったのは金髪のあどけない笑顔の少女。


不意にその場に赤い光が満ち溢れ、黒い力は砕け散った!


「え?」


光はそのまま異形を包み込むように照らした。
闇は耳を劈くような悲鳴をあげ、空間がきしむ。


「一体・・・何が?」


何が起きた?
一体??
何が?何が?何が??

かすかに声が聞こえる。


アンジェリカ「ん・・・・なかなか綺麗にならないな。お願い。綺麗な赤い石に戻って。」
 


声が届く。
この赤い光は・・・・


アンジェリカ「あ・・・ちょっと綺麗になってきたかも!もう一息かな?」
 


あの少女は一体何をしている?
一体・・・・

もはや脅威でもなくなった異形は未だ赤い光の中でのた打ち回っている。
それを確認したうえで少女の気配を読むことに集中する。

火喰い鳥のナイフについた紅瑪瑙石を必死で磨く少女。
その身体から赤いオーラが広がっていく。
あの少女はなんと言っていた??


ラッセル家の当主になる人はね、赤いオーラを持っていないといけないの。
赤は統率、力を意味するから、そういう人の方が向いてるんだって。



赤い力が火喰い鳥のナイフに流れ込む。
流れ込んで石の濁りを浄化していく。


アンジェリカ「よし!ナイフとっても綺麗になった!!赤い石がとっても綺麗!これならOKよね!」
 


はっと気づいて周りを見る。
闇の気配は感じられない。



とくん・・・・とくん・・・・とくん・・・・とくん・・・



そこにあったのは綺麗な緋色の卵。
両手でもてるぐらいの大きな卵の中に脈動。
闇の気を欠片も受けていない純粋な卵がそこにあった。



☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆



アンジェリカ「もう!二人ともどこにいってたの!!お茶せっかく入れたのに!!」
 

氷彌「あぁ、すみません。せっかくマスターがいれてくださったのに・・・」
 


少女はきょとんとしてこちらを見ている。



アンジェリカ「緋魅?それなぁに??」
 


腕の中に大事に大事に抱きかかえた卵。


緋魅「これは私の希望です。」
 


そういって卵を置くためのやわらかな小さな綿と羽毛を敷き詰めた籠を用意する。
卵をそっと横たえ・・・・・



そして少女に跪いた。


アンジェリカ「緋魅??」
 


緋魅「貴女に心から感謝を。『マスター』」
 


今なら認める。
素直に認めよう。
この少女は私の『マスター』で・・・かけがえのない存在だ。


アンジェリカ「緋魅??何か変な物食べたの??体調悪くない?大丈夫?」
 


そういう少女におもわずふき出してしまったけど。


アンジェリカ「もう・・・・」
 

緋魅「すみません。失礼しました。『マスター』」
 


氷彌がそっと卵をあたためる。


とくん・・・とくん・・・


聞こえる。希望の音が。




緋魅のプロフィールに一文追加されました。
※親密が100になるとアンジェリカを完全に『マスター』と認めます。
※親密が50を切るとアンジェリカを「たかが人間」と見るようになります。

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