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精霊伝説:波紋を斬る者 ヴェル、災渦の日記 (+カヤ・ボーフォートのセルフォリーフの日記、アンジェリカ・ラッセルの偽島探検記+イシュケ、翠祀)
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腕の良い合成士さんをみつけて、うるさいガーゴイルは緋魅が吸収した。

「氷彌さん大丈夫?」

こくりと頷く氷彌さんはまだ動くのが厳しそう。

そして緋魅は・・・・

「ずいぶん軽い体ですね」

そういいながら何かを投げてた。

「それなぁに?」

「手裏剣とかいう武具のようですよ。ただ、めったに当たらないらしいです。
 マスター、この体はいまいちですね。早く新しい身体を用意してもらえませんか?」

あっさり言われても困る。
どんな子がアンジェリカに懐いてくれるかどうかなんてアンジェリカにもわからないのに・・・。


「マスターがより磨きをかければいいんですよ」

何に?

「ですが、その前にあなたのその何でも引き寄せてしまう性質は治す方がいいかもしれませんが・・」

「私そんなに何かを呼んでるの?」

そういうと緋魅はため息。
氷彌はにっこりわらって

「はい。とても。マスターはとてもとても惹きつける力が強いです。」

と言った。
私には自覚がないんだけど・・・・





その夜、また夢を見た。

緋魅に似てる?
だけど少し寂しそう。
綺麗な女の人
あなたは誰?

女の人は床を指差した。


ううん、遺跡の地下4階だ。

そこに何があるの?

何かが光ってる。
刃物?
綺麗な赤い石のついた・・・・
あれは短剣?


「あれを拾えばいいの?」


綺麗な女の人はそっと微笑んで消えた。
闇に浮かぶ幽玄の灯火だけが残された。





「マスター、起きて・・・・・・・いえ、起きる前に氷彌に。」

「ん・・・」

この会話も何度しただろう。
夢に何かが訪れる。
そのときに必ず氷彌さんに吸い出してもらうように緋魅はいう。

どうして緋魅がやらないんだろうと思ったら、元々緋魅は放出系の能力を持っているらしい。
緋魅とは逆の性質を引き継がせた氷彌さんは吸収系。
だからなんだって。

氷彌さんがそっと頬に手を伸ばして、そっとアンジェリカの頬にキス。
何かが抜ける。
そのとき


びくっ!!


氷彌さんの身体が急に跳ねた。


「氷彌さん?」

「氷彌?」

辛そうな表情
一体・・・・

「マスター、昨日の夢を教えて下さい。」

「え?あのね。緋魅みたいな綺麗なオレンジの長い髪をした女の人がいたの。
少し寂しそうで、赤い石のついたナイフを指差してたよ。
・・・緋魅?」

緋魅の顔が青ざめる。
氷彌は切なそうな顔でアンジェリカをみる。

「二人ともどうしたの?」

だけど、二人ともアンジェリカには何も話してくれなかった。




『27日目の日記

久しぶりの遺跡外

だけど、小さな建物はひっそりとして・・・・ベルさんが居なくなってしまってた。

寂しい。とっても寂しい。

この島にきて最初のお友達だったのに。

また、いつか戻ってきてくれるといいな。


遺跡外ではたくさんの取引をして、アンジェリカたちは地下深くへと向かうことになりました。

Achtお兄ちゃんも大苦戦するようなところ。

アンジェリカは勝てるかな?

緋魅も氷彌さんもまだ新しい身体に慣れていないのに・・・・

アンジェリカがしっかりしなきゃ。

今回もケサちゃんと一緒だから、二人で勝てますように。』

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