精霊伝説:波紋を斬る者 ヴェル、災渦の日記
(+カヤ・ボーフォートのセルフォリーフの日記、アンジェリカ・ラッセルの偽島探検記+イシュケ、翠祀)
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アンジェリカ「氷彌さん?・・・同じ『ひみ』さんなの?」 |
緋魅「そうなりますね。面倒ですか?」 |
正直面倒だと思った・・・・
青い色彩を纏った女性
緋魅と同じような長い髪だけど、全然その身を包む空気が違う。
氷彌「緋魅のマスター?緋魅の大事な人?」 |
アンジェリカ「んっと大事な人かどうかはわからないけど、アンジェリカです。よろしくね。」 |
氷彌さんが戸惑っているようなので、にこっと笑って挨拶してみた。
自分で言うのもなんだけどちょっぴり笑いが引き攣ってたかもしれない。
仕方ないよね。
突然のご挨拶なんだもん。
氷彌「!!」 |
アンジェリカ「どうかしたの?」 |
緋魅「何も気にされることはありません。多分・・・・私が最初に貴方に感じたのと同じ感覚を憶えたのでしょう。」 |
緋魅はそういうと氷彌さんの頬を軽くはたいた。
緋魅「感じましたか?」 |
氷彌「(ただ黙って頷く)」 |
緋魅「彼女が私たちの守るべきマスターです。」 |
氷彌「(ただ黙って頷く)」 |
なんだろう?
2人とも。
まるで私が何かしたみたいに・・・・こちらをじっと見て・・・
そのとき緋魅が少し変な顔をした。
緋魅「マスター?」 |
もうこの呼ばれ方にも慣れてしまった。
アンジェリカでいいと言ったのに。
アンジェリカ「何?」 |
緋魅「私がいない間に何かありましたか?そのウサギのぬいぐるみが何か変ですけど・・・・。それに・・・・正直におっしゃってください。何かがここに来ませんでしたか?誰かでもいいですが・・・」 |
アンジェリカ「え?誰もここには来てないよ。アンジェリカしかいなかったけど?」 |
移動の間にビヴァークするテント。
そういえば前回・・・・
アンジェリカ「そういえば変な夢を見たの・・・」 |
そう言ってポツリポツリと見た夢の話をした。
あれは多分女の人。
誰かを・・・・何かを狂おしいほどに望んでいた。
その狂気がこちらに押し寄せてきて怖かった。
無性に怖かった。
緋魅は黙って聞いていた。
黙って聞いた後でふぅっとため息をついた。
緋魅「貴女は、もう少しコントロールを憶えなければ。そんな風に呼び込んでいては持たないでしょう?」 |
アンジェリカ「何?何のこと??」 |
緋魅「貴女は・・・・そういえば前にもありましたね。前は悪趣味な男の妄執だった気がしましたが・・・」 |
言われて思いだした。
確かに何か変な夢を見たことがあった。
あの時も何かを望む妄執だったような・・・・
緋魅「氷彌」 |
氷彌「(こくりと頷く)・・・マスター、少し力を抜いて下さい。」 |
そういうと氷彌が私の両頬を両手で軽く包んだ。
そして、額に軽く口づけられた。
びっくりした。
とても冷たかったから。
そして、冷たいところから何かがすっと抜けていった。
緋魅「貴女は時々氷彌に吸ってもらって下さい。その邪気を。」 |
アンジェリカ「邪気??」 |
緋魅「貴女は何でも惹き寄せているんですよ。だけど貴女の中にまで普通は入れない。入り込むのは強い気持ちだけ。そして・・・そういう強い気持ちほど厄介なものなのですよ。」 |
アンジェリカ「よくわからないんだけど・・・・」 |
緋魅と氷彌は二人そろって軽く頭を振った。
まるで、これは説明してもダメだと言っているようで、なんだか悔しかった。
『24日目の日記
嫌な夢を見た。だけど忘れてしまおう。
今日も戦闘は順調で、久々に短剣で前に立って戦った。
緋魅や氷彌がカバーしてくれたけど、アンジェリカは脆いなって思った。
最近弓に頼りっきりだったから・・・・
弓も短剣も両方を極めないといけないのに。ちょっと反省しました。
いろいろ出来るようになりたいのに、どうして思うようにできないんだろう。
早く・・・早く大人に成りたい。今は心からそう思います。』
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