精霊伝説:波紋を斬る者 ヴェル、災渦の日記
(+カヤ・ボーフォートのセルフォリーフの日記、アンジェリカ・ラッセルの偽島探検記+イシュケ、翠祀)
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
今日もお茶を飲みながら穏やかな陽射しの気持ちよい午後。
ポカポカとした陽の光が心地よい。
冬のはずなのに、この島の気候はどうなっているのだろうか?
不思議と気持ちの良い午後のひとときだった。
彼女がそれを口にするまでは。
「ねぇ、教えて。」
「何でしょう?」
「子どもが親を殺すことと、子どもが親より先に死ぬこと。
どちらが親にとっては不幸なこと?」
私は驚き絶句した。
一体何を言い出すのだ、この娘は。
「他の人から見てじゃないよ。
他の人から見たら、子どもが親を殺す方が親不孝だよね。
でも親にとっては?
子どもをすごく愛してたら、子どもの死を受け入れるのってつらいよね。
殺されれば人を殺した子どもを見なくてもいいし。
自分が死ぬ方が楽だったりするのかな?
そしたら子どもが親より先に死ぬ方が親は不幸なの?」
「私は人の親になったことがないからわかりませんよ、そんなこと。」
「そっか。そうだよね。ごめんね。変なこと聞いちゃって。」
そういうと彼女はお茶を啜った。
彼女は遠くのほうを眺める。
何を考えているのか、その表情からは全く読めない。
不意に思いついた言葉が口をつく。
「戦闘が怖いですか?」
遠くを見ていた彼女が私の目を見つめる。
「怖いよ。怖いっておかしい?」
「いいえ。」
彼女は自分が死ぬことを親不孝なことだと感じたのだろう。
確かに相次ぐ連戦で彼女は何度も死の危機を感じているはずだ。
自分が死ぬことで親が哀しむことを恐れているのだろう。
だが、そうだとすると、「親を殺す」というのは?
「親を殺す」という親不孝なことをするのは誰だ?
彼女は親を・・・母親を、父親を愛している。
短い期間だが、それは私も嫌というほど感じている。
少し間の抜けた母親。
賢い父親。
母親を愛し、父親を敬愛している。
彼女が親を殺すとは考えられない。
一体、彼女は何を考えている?
こうして、今日も彼女は私の興味を駆り立てる。
興味は尽きることを知らないようだ。
『11日目の日記
今日は蜂さんと鳩さんと戦いました。
今日はすごかったの。
3回避けたけど、一回も避けられなかったよ。
だけど、終わってみたら、ケサちゃんとフローラお姉ちゃんはほとんど怪我してなくて、
アンジェリカだけ怪我してました。
まだまだ二人には敵わないんだなって思いました。
しばらくフローラお姉ちゃんとケサちゃんとは別れます。
次の移動先がとっても大変な場所らしいのです。
なので、メリッサさんとコロネさんとアンジェリカで組むことになりました。
コロネさんと組むのは久々です。
前はたくさん助けてもらっちゃったけど、今回はアンジェリカも助けられるといいなって思います。
そういえば、女の人と組むことが多いなと思ったけど、
アンジェリカのギルドって酒場で集まったわりには女の人が多いです。
そういえばパパも、いつ急患があるかわからないから、って酒場にいくことはなかったみたいです。
ママはお酒をちょびっとだけ飲むみたいです。
だけど酒場とかは行ってなかった気がします。
アンジェリカが酒場に行ったって言ったら驚いちゃうかな?
それから綺麗な黒い宝石をつくりました。
ママは金のジュエリーが多かったので、赤とか緑を使うことが多かったし、
パパはプラチナのジュエリーで透明な石や青い石を使うことが多かったから、
黒い石をみるとははじめてです。
でも、アンジェリカはピンクがいいな。
この島にもピンク色の石があればいいのにって思いました。
短剣もだいぶうまく使えるようになってきたし。外さなくなったし。
あとは弓をもうちょっとうまく使えるようになりたいなって思いました。
これからしばらくは弓の練習をメインにがんばります。』
PR